2018年03月16日

移動局の設定と実験開始

実は実験は既に開始しています。
3月3日にFIXしたと報告しています。
その前にはFIXするまでに30分近く要し、ほとんど放置状態「これでは使えないな」と思っていましたが、基準局の環境を変えたり試行錯誤したところ3分ほどでFIXした事の報告でした。
ですからこの時にすでに実験は開始しています。つまり、3月3日以前には基準局の設置とデーター送信、移動局の設定と受信環境の整備は終わっていた事になるのですが、その後、多少の調整や、基準局の作り直し、基準位置データーの設定修正をおこなっていました。 

基準局の位置は、測量業務用のネットワーク型RTK(VRS方式)で観測した単点観測値をとりあえず仮の位置データとしています。
2周波の受信機でVRS方式で行っているので2〜3pの誤差で緯度、経度、標高の絶対位置が観測できます。測量業務用で金が掛かっている訳ですからこの精度は当たり前なのです。
GNSS.jpg
ネットワーク型RTK(VRS方式)のアンテナ
ローコストで行う今回のプロジェクトとはアンテナの大きさからして違います。FIX時間も環境が良ければ2〜3秒 
今回の基準局(事務所屋根の上)では2〜3秒でFIXしています。観測値もセッション間(再初期化を行うタイミング)格差で1〜2oです。セッション間の時間が短かったので衛星の移動が少ない環境だったこともあります。この数値でも基準局の位置情報としては十分使えるとは思いますが後程、RTKLIBでスタティック測位を試してみたいとも思っています。

さて、移動局の設置ですが、2in1型ノートPCとアンテナ及び受信機の設えです。受信機(NEO-MP8)の設定はU-bloX社から提供されている「U-center」をつかいます。
U-center.jpg
受信機(NEO-MP8)とPCをUSB-microUSBケーブルで接続します。
20180306_102747.jpg
PCではRTKLIBをインストールして使います。
rtknavi.jpg

細かな報告は機会があったらしますがRTKLIBの中にあるrtknaviを起動します。
移動局側(ROVER)と基準局側(Base)で同時に衛星からの電波L1帯搬送波を受信しています。
SNR.jpg
受信している衛星の位置情報(天空)も切り替えれば表示されます。
GはGPS CはBeiDou(中国、北斗)です。
衛星配置.jpg

次回はFIX時間と観測精度の報告予定です。

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2018年03月14日

MY基準局の設置

前回「高精度測位のカギは基準局」といったタイトルで投稿しましたが、MY基準局を設置したので報告します。
事務所の屋根の上にカメラの三脚を利用してアンテナを設置しました。
MY基準局アンテナ.jpg
アンテナからSMAケーブルを15mほど延長して事務所内の受信機〜パソコンに接続しています。
パソコン内ではRTKLIBのSTRSVRといったソフトが起動していて、アンテナで受信した衛星データーをNTRIP Casterといったクラウド上のサーバーにアップロードしています。

パソコン内でSTRSVRが起動してNTRIP CasterにIP通信している状態
STRSVR起動中.jpg

MY基準局PC.jpg
これがMY基準局です。
実は今日、NTRIP casterにデーター送信しているつもりで現場(移動局)に出かけましたが、基準局データーを受信できませんでした。パソコンを節電モードにしておいたのでスリープ状態になってしまいデーター送信ができていなかったのです。(お粗末)

NTRIP Casterを使ったサービスは一般的に企業(データー配信会社)が有料で行っているケースが多く、その企業がサーバーを設置して配信サービスを展開していますが、ユーザーが自由にアクセスできるオープンなNTRIP Casterサービスがあります。
「rtk2go」といった無料サーバーはだれでもデーター送信でき、送信されたデーターに誰でもアクセスできます。だたし誰が送信したデーターかを識別するためにマウントポイントといったものを設定する必要があります。小生は、他で使っている人がいないと思いますが「namisoku.rtk」といったマウントポイントにしています。移動局側の設定でこのマウントポイントは必要になります。

NTRIP Casterの構成要素〜NTRIP Casterはオープンサーバー「rtk2go」を使用
NTRIP

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2018年03月13日

高精度測位のカギは「基準局」

前回RTK測位の概要で説明したましたが、基準局は位置が判っている必要があります。
位置とは地球上の位置のこと=緯度、経度、標高(楕円体高) 
この位置精度が移動局(位置を知りたいもう一方)の位置精度に直結します。
位置が判っている点としては、行政機関が設置した基準点(三角点や公共基準点)がありますが、RTK測位にはその点ともう一方の点との通信が必要になります。
三角点や公共基準点は緯度、経度、標高は判っていますが、データー発信はしません。現地にあるのは単なる石や金属の標識です。(電子基準点といったものは別ですが)
リアルタイムの測位となると常に基準局からその位置データーが発信されている必要があります。
あと、移動局の位置精度は10q圏内に基準局があるか無いかに掛かっています。
だから、移動局での測位を必要とする人が、自ら基準局を開設してその位置のデーター発信をすれば良いことになります。
事務所の屋根の上にカメラの三脚を使って基準局を設置しました。(小さなアンテナが載っています。)
基準局カット版.jpg
発信するデーターはU-bloX(NEO-MP8)が基準局側で受信した測位データーです。
実はこのデーター発信はRTKLIBでできるのです。
自分のパソコンを基準局データーの発信サーバーにできるのです。
RTKLIBに含まれるSTRSVRといったソフトでデーター発信します。
衛星〜アンテナ〜受信機〜パソコン(STRSVR)よりoutputされている状態であれば、IP通信により外から発信されているデーターにアクセスできる訳です。

ただし、インターネットに関する問題もあります。データー発信基準局のIPアドレスが判らなければアクセスできません。グローバルIPアドレスが固定している事、若しくはDDNSを利用してすることなどの対処が必要だそうです。また、ファイヤーウォールに穴をあける必要があるそうです。でないと外部からデーターアクセスできません。(セキュリティー対策させていないPCは皆無ですから)
RTK技術以外にネット関連の知識も必要です
また、企業のローカルネットワークに外部からアクセスできるようにするのはなかなか難しいです。そんなリスクはたかが実験レベルでは普通犯しません。
そんな訳で、小生はNTRIP といった仕組みを利用しました。
自分で開設した基準局から発信しているデーターをインターネット経由でNTRIP Casterといったサーバーにアップロードしておけば、移動局からNTRIP Casterにアクセスして基準局データーをダウンロードすることができるのです。
図で示すと次のようなこと(トラ技2018.1月号より)
NTRIP
以上すべてトラ技の受け売りですが、実際に試してみました。



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2018年03月12日

高精度測位RTKの概要

RTKは座標値が判っている点に1台の受信機とアンテナを固定して衛星からの電波を受信すると同時に、位置を知りたい点(移動する側)にも、受信機とアンテナを設置して衛星からの電波を受信します。この合わせて2か所で同時に得られた観測データーをリアルタイムに解析して知りたい位置を決定する測位手法です。
gps_iroiro04.gif
スマホやカーナビなどの単独測位で受信する電波とは種類の違う搬送波という電波を受信して行うもので、固定点と移動点で同時に受信した搬送波を解析するのは、その受信データーをどこか1か所に集約して解析しなければなりません。その手段として、無線機や、IP通信(インターネットを利用した通信)が必要となります。
高精度測位RTKの概要(トラ技2018/1月号より引用)
RTK概要.jpg

RTK測位では、約1.5㎓の搬送波を直接観測しますが、波長が19pと短いことから、受信開始時には衛星〜アンテナ間にある波数が不確定です。(物差しの目盛りが細かすぎて大きな数値(整数)が判らないといった表現が合っているかもしれません=整数値バイアス)最初はその整数を判別(数えきる?)するのに時間がかかります。初期化といいます。初期化が済み数m級の整数値部分が確定した後、数m級から20cm級の解を計算している段階がFLoat解と言います。そして最後に確定解(たぶん1〜2cm級だと思う)を求めます。FIX解と言います。
このFIX解が出るまで演算が繰り返し行われます。
RTKLIBといったソフトで行いますが、RTKLIBは東京海洋大学の高須先生が開発し、世界のRTK技術に影響を与えている世界の至宝と言われているフリーソフトです。
演算内容は複雑で解説できませんが、演算を繰り返し固定点と移動店点の相対的位置関係を1〜2cm級の精度で確定して行きます。この結果、固定点の位置が判っていれば移動点の位置は相対的位置関係から求まります。これがRTKの概要です。

つまり、固定点の位置が正確でなければなりません。
固定点と移動点の通信手段が無くてなりません。
固定点、移動点とも衛星からの電波の受信環境(上空に開け具合)影響します。
正確な移動点の位置を求める事=FIX解を得る事は結構条件があります。
これらの事は次回以降少しずつ報告いたします。

今回のRTKプロジェクトの骨格は『トラ技2018年1月号』に掲載されています。
http://toragi.cqpub.co.jp/tabid/862/Default.aspx

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2018年03月10日

RTK実験キッドの概要

トラ技で購入した実験キッド 確か¥27,000でした。トラ技実験キッド.jpg
基板にU-bloxのL1受信モジュール(NEO-M8P)とシリアル通信用マイクロUSB端子 アンテナ接続用SMA-J(端子)が配置されています。購入した物が到着した時はその小ささに驚かされました。回路図を見ても門外漢の小生にはさっぱり解りませんが専門家にすれば簡単な構造で再現は十分可能だと思います。プロジェクトを広めるためにはこの基板セットが必要なのでNEO-M8PやSMA端子、マイクロUSB端子等の部品と共に基板に配線しなければなりません。だからそんなことを考えていたわけです。
さて、トラ技で購入したアンテナですが安物らしいです。トラ技特別サイト「初めての1cm測位RTK超入門」で岡本先生が言ってました。
仕事でRTKを活用したい場合などはアンテナをある程度、感度の高いものにしなければならないらしく、小生はリットー社よりTW2710GPを2基購入しました。
20180306_102845.jpg
TW2710GP(リットー社 ¥37000/1基)

基地局用PCは余っていた古いのノートPC(ウインドウズXPを7に変えたもの)
ローバー(移動局)用は2in1型ノートPCを新規購入
当初は、野外で使用する小型のタブレット型を予定していたのですが使うには条件がありました。
U-blox(受信機)やRTKLIBのOS環境はウインドウズだったので、タブレット型でウインドウズPCはなかなかありません。できればLTE対応なら更に良いのですが、インターフェイスにUSB端子が無くてはなりません。
受信機からシリアル通信できるポートが必要だからです。

そんなわけで、タブレット端末で、該当する機種はなかなか見つかりません。
(アンドロイドのタブレットはありますが〜ヤマダエブリパッドプロ(ウインドウズ8)も当初候補に挙がったのですが、USB端子がありません。マイクロUSB端子はありますが、給電用なのでシリアルポートになるの判りません。それからメモリーが2Gしか無かったのでので止めました。)

ローコストが課題ですからHP(ヒューレットパッカード)の2in1型PC(メモリー4G ウインドウズ10 ¥50,000弱)を購入しました。
購入した物の金額
トラ技受信基板セット2セット 2×¥27,000
アンテナTW2710GP 2セット  2×¥37,000
2in1型PC(HP製)  1台    1×¥50,000
他 基地局用SMAケーブル15m ¥5,000
  ローバー用SMAケーブル3m   ¥1,000
コントローラー&解析ソフト(RTKLIB)は無料
総額約 ¥200,000
これでRTKがキチンととできれば目的達成できます。
このキチンとが今後の課題です。
実証実験の結果は随時報告いたします。

アンテナ、受信機、PCの接続はこんな感じです。(ローバー用)
20180306_104403.jpg
受信機からPCへはUSB端子でのシリアル通信
PC内での受信機コントロールや受信データーの解析はRTKLIB が行います。
次回は高精度測位RTKの概要です。(基地局が必要な事等)
posted by Y-NAMISOKU at 18:48| Comment(0) | プロジェクト