2018年05月02日

既知点でのRTK精度実証実験(その3)

4月29日 観測場所−4
入間市2級基準点NO.2064 
上空は開けているが近傍に建物あり。建物の影響はあまりないような気がする。比較的近くに看板あり、マルチパスが若干心配
前の3点より条件は若干良くない様な気がするが、ここが駄目ならもっと悪条件の場所は沢山ある。この条件で使えないのならこのRTKシステムは使えない事になる。
既知点成果  緯度 35°48′05.9309″ 経度 139°19′54.7276″
       X= −21890.409  Y=−45322.497 (\系)
FIXしなかった。というより風が強くてアンテナが安定しなかったので観測中止
次回に続く〜前回の続き
前回は風が強くて観測を中止したのですが、それにしてもFIXしませんでした。
看板によるマルチパスが心配だったので、問題なさそうな所までRoverを移動させて観測したのですがなかなかFIXしませんでした。原因がわかりません。
その続きです。
5月1日観測
同条件でRTKシステムをセットして観測開始 今日は30秒でFIXしました。
Ratio50超になるまで50〜60秒
前回はいったい何だったのでしょう。
Ratioが50を超えても瞬間的にFloatに戻り、再FIXしRatioはすぐ50を超える現象がありました。たぶん心配していた看板によるマルチパスの影響なのかもしれません。
観測結果は  緯度 35°48′05.9297″ 経度 139°19′54.7285″
          X= −21890.446  Y=−45322.475 (\系)
       較差   X=−0.037  Y=+0.022
マルチパスはミスFIXを引き起こします。十分注意しなければなりません。
目安としてRatioが十分上昇し、数値が安定してきたら安心です。


上空が開けた好条件の観測場所で、FIXしたと言って喜んでばかりでは先に進みません。今度は条件の悪くない住宅街でRTKシステムを試してみました。
道路脇にある2級基準点(既知点)です。
道路幅は8mくらいあって建物は道路から離れたところに立っています。近くに街路樹がありますが背は高くありません。3mのポールの先にアンテナがありますが、離れた位置から見ると仰角15度以上の範囲内に建物や、樹木がかかるような気もしますがFIX時間 観測結果は結構良いものでした。
5月1日 観測場所―5
NO.2057.jpg

FIXするまでの時間1分30秒程  Ratio50超の時間1分50秒程
既知点成果  緯度 35°48′51.9232″ 経度 139°19′49.8154″
       X= −20472.374  Y=−45438.544 (\系)
観測結果は  緯度 35°48′51.9214″ 経度 139°19′49.8165″
          X= −20472.430  Y=−45438.516 (\系)
       較差   X=−0.056  Y=+0.028

道路が広い第一種低層住居専用地域は使えそうです。
以上でした。


posted by Y-NAMISOKU at 08:35| Comment(0) | 実証実験

2018年05月01日

既知点でのRTK精度実証実験(その2)

久しぶりの実証実験報告です。
前回は3月19日に投稿 それ以降、実証実験していませんでした。(いろいろ忙しかったので〜言い訳) 
前回は 即FIXと緯度経度座標較差(既知の座標値との較差)予定値(3cm)以内の結果が得られたのですっかり安心していましたが、観測場所の条件は最上、周りに障害物が一切ない環境です。 前回はローコストRTKシステムが正常に稼働するかどうかが目的ということにしてください。
実質的課題はFIXするまでの時間や位置精度が最悪環境下とは言わないまでも、ある程度の悪環境下でも使える目途が立つかどうかを検証しなければなりません。
何しろ1周波のローコスト受信機でやっている訳ですから、「結局、ローコストRTKは使い物にならない」といった結論もあり得る訳です。
実証実験課題では衛星の選択やアンテナの性能も試行錯誤してみる必要があります。
さて、4月29日に行った実験結果を報告します。
方法は前回同様に、既知点にアンテナを立てて観測、FIX時間数とRatioが50以上になった時点での緯度経度を記録して、既知点緯度経度との座標較差を比較しました。
NO.151.JPG

観測場所−1
入間市1級基準点NO.151 上空は完全に開けていて障害物一切なし
既知点成果  緯度 35°48′09.9881″ 経度 139°23′05.9226″
       X= −21788.648  Y=−40521.821 (\系)
観測成果   緯度 35°48′09.9867″ 経度 139°23′05.9228″
       X= −21788.691  Y=−40521.816 (\系)
       X較差=−0.043 Y較差=+0.005
FIX(Ratio3超)時間=20秒程度 Ratio50超時間=50秒程度


NO.139.JPG

観測場所−2
入間市1級基準点NO.139 上空は完全に開けていて障害物一切なし
既知点成果  緯度 35°48′55.3571″ 経度 139°21′42.2376″
       X= −20380.590  Y=−42616.036 (\系)
観測成果   緯度 35°48′55.3558″ 経度 139°21′42.2383″
       X= −20380.630  Y=−42616.018 (\系)
       X較差=−0.040 Y較差=+0.018
FIX(Ratio3超)時間=100秒程度 Ratio50超時間=150秒程度


NO.138.JPG

観測場所−3
入間市1級基準点NO.138 (3/19観測地) 上空は完全に開けていて障害物一切なし
既知点成果  緯度 35°48′56.4156″ 経度 139°21′01.1477″
       X= −20342.939  Y=−43647.291 (\系)
観測成果   緯度 35°48′56.4149″ 経度 139°21′01.1485″
       X= −20342.962  Y=−43647.272 (\系)
       X較差=−0.023 Y較差=+0.019
FIX(Ratio3超)時間=10秒程度 Ratio50超時間=20秒程度


NO.2064.JPG

観測場所−4
入間市2級基準点NO.2064 
上空は開けているが近傍に建物あり。建物の影響はあまりないような気がする。比較的近くに看板あり、マルチパスが若干心配
前の3点より条件は若干良くない様な気がするが、ここが駄目ならもっと悪条件の場所は沢山ある。この条件で使えないのならこのRTKシステムは使えない事になる。

既知点成果  緯度 35°48′05.9309″ 経度 139°19′54.7276″
       X= −21890.409  Y=−45322.497 (\系)
FIXしなかった。というより風が強くてアンテナが安定しなかったので観測中止

次回に続く

posted by Y-NAMISOKU at 14:23| Comment(0) | 実証実験

2018年04月19日

草の根基準局登録

久しぶりの投稿です。
準備はできていたのですが後回しになってました。
ある程度の時間帯で基準局Dataを送信しなければならないので、アンテナの調子をしばらく観察していました。アンテナジャック接続部に雨が侵入したり、落雷が心配だったのですが、接続部は自己融着テープをぐるぐる巻きして防水対策をしたつもりです。落雷は運が悪ければアウトですが。
雨天でも今のところ順調にData配信しています。
基準局の設置に関する投稿は「MY基準局の設置」でやっていますのでそちらをご覧ください。
さて、「草の根基準局の登録」ですが、これはトラ技の企画で全国展開しているものです。サイレントシステムの中本先生が管理者となって運営しているようですが、主に大学や、高専の研究室が開設している例が多いようです。
草の根基準局のアドレスは
http://rtk.silentsystem.jp/
当方もこの企画に微力ながら協力しようと思い、基準局Dataの配信をしています。
アンテナが落雷でぶっ壊れたり、PCが壊れたししない限り。もしくは無料で使っているRTK2go(アメリカのサーバーらしいですが)使用停止にならない限り。
固定IPアドレスを取得してTCPサーバーとしてPTKLIBのSTARSVRで配信するいわゆるP2Pには今のところちょっと無理があります。何故かというとDDNSとかファイヤーウォールに穴をあけたりとかNAT設定とかIPマスカレードとかネット環境設定はよく解らないからです。
トラ技の記事のまま設定して、なぜかうまくいったNTRIPのrtk2goが使えなくなったら終わりと言う訳です。
基準局が広がって仲間が増えればまた考えます。
基準局情報.jpg

草の根基準局のログイン画面



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posted by Y-NAMISOKU at 10:06| Comment(0) | 提案

2018年03月28日

MY基準局スタティック測位

前回報告した通りMY基準局の位置を電子基準点を与点としてスタティック測位をした結果を報告します。
RTKPOSTメニュウ画面.PNG

MY基準局で受信したU-bloxデーターをRINEXデーターに変換してRTKPOSTに入力(マウスでドロップ)
MAY基準点で受信した時間帯と同じ時間帯の近傍の電子基準点RINEXデーターを国土地理院のHPからダウンロードします。ダウンロードした観測データ―、航法データーをRTKPOSTに入力してRTKPOSTに計算させます。実験では電子基準点入間 電子基準点名栗 電子基準点川越のデーターを使いました。
基線長としてMY基準点と電子基準点入間は5Km程度ですが、名栗や川越は15〜20Kmあります。
今回のプロジェクトで使っているローコストL1受信機で行うRTKは基準局から10Km以内が基本ですので名栗や川越は少し遠いので電子基準点入間のデーターを使った結果の方が信頼性があるような気がします。
(スタティック測位はリアルタイムではなく後処理なので距離は関係ない気もしますが)
入間1.5h選択後.jpg

電子基準点入間のデーターを基に緯度経度の測位結果をエクセルで平均したもの
U-blox受信機では2.5時間位受信しましたが、電子基準点データーは○○時00分00秒から○○時59分30秒の59分30秒単位ですので、重なっている中間の1.5時間を指定して解析しました。
RTKPOSTに使い方がいまいち不明でインターバルを指定するとうまく計算できなかったのでインターバルを指定しないで計算させたので1秒単位の膨大なデーターとなってしましました。
その中から、Q=5は削除 Q=2(フロート解)も削除 Q=1の内Ratioが20以上の結果のみを抜き出して平均したものです。電子基準点入間を与点とした計算の平均Ratioは84.85
名栗1.5h選択後.jpg

以上が名栗の結果です。Ratioの平均は20.4
川越1.5h選択後.jpg

川越はRatio平均28
Q=1(FIX解)はRatio3.0から得られますが、FIXの安定した状態が続くとRatioはぐんぐん上昇します。
電子基準点入間からのデーターを使うと最大Ratioは200を超えました。
緯度経度平均結果を平面直角座標に変換してみました。(緯度経度より座標の方が判りやすい)
緯度経度変換計算.jpg



電子基準点入間と電子基準点名栗のX座標格差は0.003m Y座標格差は0.009m
電子基準点入間と電子基準点川越のX座標格差は0.042m Y座標格差は0.024m
電子基準点入間と2周波測量用受信機でVRS単点観測した結果とX座標格差は0.004m Y座標格差は0.001m
でした。
ローコストL1受信機を使ってのスタティック測位も結構いけます。
以上報告でした。



posted by Y-NAMISOKU at 18:56| Comment(0) | 実証実験

2018年03月24日

スタティック測量へ挑戦

このプロジェクトとは別の話ですが、市の委託業務で2級基準点測量を請負い、国土地理院の技術的助言と日本測量協会の成果検定を受け、無事年度末の納品が終わりました。この業務はGNSS測量のスタティック観測を用いた仕様で、もちろん測量作業規定に適合する作業手順で行う必要があります。使用するGNSS測量機も機械検定を受けたものでなければなりません。
ついては機械はレンタルです。(基線解析も平均計算もレンタル)
入間市の基準点網図を完成させるためには、与点は入間市設置の1級基準点でなければなりません。(と思います)しかし
国土地理院の助言の中に「電子基準点を与点とした2級基準点の設置が可能になりました」とあります。
数年前作業規定の改定で可能になったのですが、今回の市の委託は今までやってきた市設置の基準点との整合を第一と考えて、市設置の1級基準点を与点とする事としているのだと思います。
さて、今日のタイトルですがそのことと関係ある電子基準点を与点としたスタティック測量にチャレンジしました。
勿論、RTK同様ローコストで行える事が前提です。
これができればRTK基準局の位置精度が増し、移動局の位置精度が結果として増すことになります。
FIXしたRTK観測結果は基準局位置精度が移動局の位置精度に平行移動するのです。
ですから基準局の位置は正確でなければなりません。
現時点では、測量業務用受信機でVRS方式での単点観測値を基準局の位置座標として仮設定しています。(これでも2~3cm程度の精度はあるので十分だとは思いますが)
このRTKプロジェクトを普及させるためにはだれでもローコストでRTK基準局の位置決めができなければなりません。
VRSができなくとも正確な基準局の位置を知る方法が必要なのです。(TSで基準点を回して、屋根の上を観測するような真似(ど測量?)はしたくありません)
そこで電子基準点を利用したスタティック測量によって基準局の位置が判れば素晴らしい。
実はRTKLIBで電子基準点を与点としたスタティック測量ができるのです。
RTKLIBのなかにあるRTKPOSTをつかいます。電子基準点を与点としてスタティック測量で基準局を再測量するのです。
RTKPOST.PNG

RTKLIBのすばらしさに驚きを隠せません。こんなに何でも出来てフリーソフトなのです。
フリーソフトでも信頼性は抜群です。世界のRTK関係者が使っています。
一方既知となる点(電子基準点)は日々の観測データー、航法データーが国土地理院からRINEX形式で公開されています。
各方面の研究者(地球物理学者が多いのでは?)がこのデーターを使っています。
今回のプロジェクトもこの電子基準点データーを利用します。
地理院から得られるデーターはRINEX形式というものですが、GNSS受信機各社の受信機からoutputされるデーターの形式はバラバラなのでRINEX形式に変換する必要があります。
RTKLIBにはその変換ソフトRTKCONV(RTKコンバーター)も備えているからビックリです。
RTKCONV.PNG

まずはU-bloXの受信機を起動させ1時間以上観測します。
RTK基準局として設置完了しているので室内のPCをそのまま稼働させるだけす。
電子基準点データーは1時間単位(〇〇時0分から〇〇時59分30秒)でのデーター取得ですので受信機の観測時間もそのサイクル(以上=少し前から少し後まで)で行います。
そのデーターをRINEX形式にコンバートします。
RTKCONVに入力すればRINEX形式のobsデーター(観測記録)とnav(航法記録)変換されます。
こればRTKの基準局を観測していますが、求めたい位置データーなのでROVER(移動局)データーですのでお間違え無いように
RTKCONV メニュウ画面.PNG

今度は電子基準点のデーターを国土地理院のHPからダウンロードします。
地理院基準点位置画面.PNG

データー入手には登録が必要ですが誰でも簡単にできます。
ダウンロード画面.PNG

観測記録(obs)と航法記録(nav)をダウンロードします。

RINEXに変換したRoverデーター(RTK基準局の観測データーobsファイル)とダウンロードした電子基準点RINEXしたデーターをRTKPOSTに入力します。
(注意)Roverの観測時間帯と電子基準点でダウンロードする観測時間帯は当然同じ時間帯(同じ時間帯を含む)でなければなりません。
RTKPOSTメニュウ画面.PNG

Executeすると測位計算します。
計算設定はいろいろありますが詳しくは省略します。
RTKPOSTにもPlot画面があるので測位結果を画面で確認します。
Rover(今回はRTK基準局)の観測結果全てがプロットされています。
下の枠外にFIX率60%と出ています。
結果プロット.PNG

1グリット=50cmで表示
表示を切り替えFIX解だけをプロットさせます。
1グリット=5mmで表示
数点明らかにミスFIXしていますがそれ以外は5mm以内に集中した塊が時間の経過とともに2〜3p移動しています。
ミスFIX点以外のFIX点は観測時間内(2時間)で2~3p移動しているのでどれが正解なのかは分りません。
FIX結果.PNG

View画面を押すと測位結果が数字で表示されてきます。
RTKpostのoutput設定で緯度、経度を度分秒表示にしています。
FIX数値.PNG

結果の検証は次回にします。
速報=数o精度の塊が2〜3p程度 時間経過と共に移動 
ミスFIXの原因はViewでおかしな数値が出ている時間帯をみて、その時間帯の衛星の位置を見ればどの衛星がミスFIXの原因か判るのではと思います。
多分、南東方向に一本電柱があるのでその電柱によるマルチパスがミスFIXの原因のような気がしますが?
RTK測位をする際、マルチパスが少しでもあるとRTKLIBは最初から計算のやり直しをするそうです。だからなかなかFIX解が得られません。当初、移動局側は畑のど真ん中で観測しているのに30分以上たってもFIXしなかった理由は、基準局側(事務所屋根の上)に問題があったからでした。






posted by Y-NAMISOKU at 19:07| Comment(0) | プロジェクト