2018年03月24日

スタティック測量へ挑戦

このプロジェクトとは別の話ですが、市の委託業務で2級基準点測量を請負い、国土地理院の技術的助言と日本測量協会の成果検定を受け、無事年度末の納品が終わりました。この業務はGNSS測量のスタティック観測を用いた仕様で、もちろん測量作業規定に適合する作業手順で行う必要があります。使用するGNSS測量機も機械検定を受けたものでなければなりません。
ついては機械はレンタルです。(基線解析も平均計算もレンタル)
入間市の基準点網図を完成させるためには、与点は入間市設置の1級基準点でなければなりません。(と思います)しかし
国土地理院の助言の中に「電子基準点を与点とした2級基準点の設置が可能になりました」とあります。
数年前作業規定の改定で可能になったのですが、今回の市の委託は今までやってきた市設置の基準点との整合を第一と考えて、市設置の1級基準点を与点とする事としているのだと思います。
さて、今日のタイトルですがそのことと関係ある電子基準点を与点としたスタティック測量にチャレンジしました。
勿論、RTK同様ローコストで行える事が前提です。
これができればRTK基準局の位置精度が増し、移動局の位置精度が結果として増すことになります。
FIXしたRTK観測結果は基準局位置精度が移動局の位置精度に平行移動するのです。
ですから基準局の位置は正確でなければなりません。
現時点では、測量業務用受信機でVRS方式での単点観測値を基準局の位置座標として仮設定しています。(これでも2~3cm程度の精度はあるので十分だとは思いますが)
このRTKプロジェクトを普及させるためにはだれでもローコストでRTK基準局の位置決めができなければなりません。
VRSができなくとも正確な基準局の位置を知る方法が必要なのです。(TSで基準点を回して、屋根の上を観測するような真似(ど測量?)はしたくありません)
そこで電子基準点を利用したスタティック測量によって基準局の位置が判れば素晴らしい。
実はRTKLIBで電子基準点を与点としたスタティック測量ができるのです。
RTKLIBのなかにあるRTKPOSTをつかいます。電子基準点を与点としてスタティック測量で基準局を再測量するのです。
RTKPOST.PNG

RTKLIBのすばらしさに驚きを隠せません。こんなに何でも出来てフリーソフトなのです。
フリーソフトでも信頼性は抜群です。世界のRTK関係者が使っています。
一方既知となる点(電子基準点)は日々の観測データー、航法データーが国土地理院からRINEX形式で公開されています。
各方面の研究者(地球物理学者が多いのでは?)がこのデーターを使っています。
今回のプロジェクトもこの電子基準点データーを利用します。
地理院から得られるデーターはRINEX形式というものですが、GNSS受信機各社の受信機からoutputされるデーターの形式はバラバラなのでRINEX形式に変換する必要があります。
RTKLIBにはその変換ソフトRTKCONV(RTKコンバーター)も備えているからビックリです。
RTKCONV.PNG

まずはU-bloXの受信機を起動させ1時間以上観測します。
RTK基準局として設置完了しているので室内のPCをそのまま稼働させるだけす。
電子基準点データーは1時間単位(〇〇時0分から〇〇時59分30秒)でのデーター取得ですので受信機の観測時間もそのサイクル(以上=少し前から少し後まで)で行います。
そのデーターをRINEX形式にコンバートします。
RTKCONVに入力すればRINEX形式のobsデーター(観測記録)とnav(航法記録)変換されます。
こればRTKの基準局を観測していますが、求めたい位置データーなのでROVER(移動局)データーですのでお間違え無いように
RTKCONV メニュウ画面.PNG

今度は電子基準点のデーターを国土地理院のHPからダウンロードします。
地理院基準点位置画面.PNG

データー入手には登録が必要ですが誰でも簡単にできます。
ダウンロード画面.PNG

観測記録(obs)と航法記録(nav)をダウンロードします。

RINEXに変換したRoverデーター(RTK基準局の観測データーobsファイル)とダウンロードした電子基準点RINEXしたデーターをRTKPOSTに入力します。
(注意)Roverの観測時間帯と電子基準点でダウンロードする観測時間帯は当然同じ時間帯(同じ時間帯を含む)でなければなりません。
RTKPOSTメニュウ画面.PNG

Executeすると測位計算します。
計算設定はいろいろありますが詳しくは省略します。
RTKPOSTにもPlot画面があるので測位結果を画面で確認します。
Rover(今回はRTK基準局)の観測結果全てがプロットされています。
下の枠外にFIX率60%と出ています。
結果プロット.PNG

1グリット=50cmで表示
表示を切り替えFIX解だけをプロットさせます。
1グリット=5mmで表示
数点明らかにミスFIXしていますがそれ以外は5mm以内に集中した塊が時間の経過とともに2〜3p移動しています。
ミスFIX点以外のFIX点は観測時間内(2時間)で2~3p移動しているのでどれが正解なのかは分りません。
FIX結果.PNG

View画面を押すと測位結果が数字で表示されてきます。
RTKpostのoutput設定で緯度、経度を度分秒表示にしています。
FIX数値.PNG

結果の検証は次回にします。
速報=数o精度の塊が2〜3p程度 時間経過と共に移動 
ミスFIXの原因はViewでおかしな数値が出ている時間帯をみて、その時間帯の衛星の位置を見ればどの衛星がミスFIXの原因か判るのではと思います。
多分、南東方向に一本電柱があるのでその電柱によるマルチパスがミスFIXの原因のような気がしますが?
RTK測位をする際、マルチパスが少しでもあるとRTKLIBは最初から計算のやり直しをするそうです。だからなかなかFIX解が得られません。当初、移動局側は畑のど真ん中で観測しているのに30分以上たってもFIXしなかった理由は、基準局側(事務所屋根の上)に問題があったからでした。






posted by Y-NAMISOKU at 19:07| Comment(0) | プロジェクト
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