2018年03月02日

ローコストで高精度なRTKを実現するプロジェクトをスタート

RTK測位とはReal Time Kinematicの略で人工衛星を利用した測位法の一つです。測位とは、ものの緯度、経度、標高を求める事でかつては天体観測等を繰り返すことによって求めていましたが、現在は人工衛星の電波を受信、解析する方法が用いられています。

緯度、経度、標高に基づくものの位置は地球上の絶対位置なので、同一基準で作成された地図上に完璧にトレースされます。カーナビやスマホの道案内は自分の位置が緯度、経度の数値としてとらえられ、その数値が地図上に表示されている訳です。

カーナビやスマホが行っている衛星測位は単独測位と言って数m級の誤差を含んでいます。原因は宇宙空間や大気圏内で発生する物理的現象による電波の到達時間の揺らぎや.捉えている電波の種類の違いによるものです。

一方、RTK測位は人工衛星の電波を受信して測位する事に変わりはないのですが、受信する電波の種類が異なります。又、相対測位と言って複数のものの相対的位置を同時に測量します。この時一方の位置(緯度経度標高)が既知であれば相対的位置から絶対的位置への変換が数cm級できます。これがRTK測位で、現在、公共測量や公共土木工事の重機の自動制御、自動運転などに活用されてます。

問題はそのRTK測位にかかる費用です。公共測量用の測量機、(衛星の受信機やアンテナ、無線機、パソコン.jpg受信データーの解析ソフト等)は高額で高嶺の花なのです。

これを解決するために無謀なプロジェクトを立ち上げました。1/10の経費でRTK測位による緯度、経度、標高が測定できれば、Rial Timeで得られる位置データーにより機械の走行制御が容易になります。cm級の詳細位置情報はあらゆる場面で役立つはずです。

そんな訳で、職業を生かした技術が社会の役に立てば良いなと思い立ち上げたプロジェクトです。

今後、実証実験をしてゆく過程を投稿して行きます。
posted by Y-NAMISOKU at 17:33| Comment(0) | プロジェクト

GPS受信機モジュールのイメージ画像

カバーページ.jpg
衛星測位のイメージ画像を探していたら受信機のモジュールをデザインしたものがあったので有料で購入しました。
機械は部品だけでは動かない、使えない、あたりまえだけど。
仕事で使う測量機械の使い方や、機械本体の性能、その機械を使って得られる成果などは仕事の技術向上の意味から関心はありましたが、機械の部品の事となると全くの門外漢でした
ある事を切っ掛けに急に興味が出てきて、これが新たな展開を生んで行くことになります。
posted by Y-NAMISOKU at 19:15| Comment(0) | 日記

2018年03月03日

思いついたきっかけ

以前から、職業上の技術で何か他に生かる事はないか、人工衛星を利用した測位システムRTK測位が生かせないか、と密かに考えていた時期がありました。

ところが
測量用の受信機(アンテナを含む周辺機器も入れて)は高額(1台数百万円)な上、測量方法によっては1台では役に立ちません。
スタティック測位と言う測量法は最低3台必要で1時間以上同じ場所でじっくり衛星からの信号を受信します。数km以上離れた点でも観測精度は数mmと言った高精度のものですが、限られた用途(役所が発注する基準点測量)でしか活用方法が見出せませんでした。
観測中009.jpg
役所の仕事で小生の会社が行いました。

小さな測量会社では費用対効果を考え、所有する事はなくレンタルで代用
また、RTK測位は最低2台の器械が必要で、器械間の無線通信が必要と言った代物だったので、あまり普及はしなかった様です。

衛星測位は金が掛り過ぎるうえ、上空の視界などによっては使えない事もあり、役所の発注する2級基準点測量以上の測量以外では活躍する場面も少なかったようです。
(3級基準点はトータルステーションを用いた地上測量が主でした)

しかし、国が設置した電子基準点の受信データーを補正配信する会社の登場によって、携帯電話による通信手段を使って1台の受信機(アンテナと周辺機器含む)で衛星測位が半Real Timeで出来る様な仮想基準点方式(VRS方式)(他の方式もありますが)が登場しました。ネットワーク型RTK測位と言います。
受信機1台(アンテナ+周辺機器)+データー受信料+携帯通信代で賄えるようになりまたが、測量法の規定に合うような測量方法では受信機他機器1台(数百万円)+データー受信料(月額数万円)+携帯通信代(月額数万円)でこれでも結構頻繁に利用しない限り、宝の持ち腐れとなります。

ネットワーク型RTKは3〜4級基準点測量への使用が認められていますが、市街地は上空視界が狭く利用に制約が出てきます。どうしてもトータルステーションを用いた地上測量になってしまいがちです。

小生は仕事として衛星測位の技術は必要と考え、受信機1台で成果の得られるネットワーク型RTKが行える環境を整えました。受信機、周辺機器を購入し、データー受信契約をした訳です。
VRS方式のGNSS測量ができるアンテナ、受信機セット コントローラーはスマホ
GNSS.jpg
既知の基準点(1〜2級基準点)にその器械を設置してネットワーク型RTK測位で直接得られた数値と既知の数値を比較したところ、3~5cm程度の誤差で一致しました。随分簡単に・・・・・緯度、経度、標高を高精度に(緯度、経度は0.00000001度の単位まで正確に)求める事は至難の業で正確な基準点測量結果に基づかなければ得られなかったものがほんの数秒で得られたわけです。
でも、これでもお金が結構かかります。
ローコストで数cm級の高精度な衛星測位でないと意味がありません。
スマホで行っている衛星測位は廉価ですが、高精度ではありません。数m級の誤差があります。人の動きや道案内なら数m級の誤差でも問題はありませんが、数cm級の高精度を必要とする場面もあります。農業機械の自動走行による作付け等その活用法は無限大です。

この廉価で高精度なRTKの実現を密かに思っていたのですが、ネットであるページを発見しました。
次回はそのページと書かれていた内容について投稿します。投稿者.jpg
posted by Y-NAMISOKU at 19:33| Comment(0) | プロジェクト

FIXしました。

一昨日、昨日と、結構時間を費やして観測したのですが、一昨日はFIXするまで30分位かかってしまいました。

「急に言われても何のことだ。」と思われるかもしれませんが、実はプロジェクトはある程度進んでいるのです。

アンテナと受信機モジュールを基板配線したキッドとPCとの接続  PCの受信機ソフトの設定 RTK解析ソフトの設定、PCの屋外通信環境の整備(モバイルルーターやテザリング環境) ある程度廉価である程度高性能なアンテナ(費用対効果)の選択と購入 通信ケーブル(SMA)の延長、ローバー用の小型2in1ウインドウズPCの購入(なるべく安いもの=ヒューレットの10.1インチ、5万円弱、4Gだったので多少心配だったがRTKソフトのOS環境はウィンドウズ)細々な事が準備段階ではありました。

この準備については、追って説明しますが(準備の前の動機も)とにかく今日FIX解が3分程度で得られました。

基準局の場所を変えた結果だと思います。詳しい事はまた後日

事務所の屋根の上に基準局を設置した。〜カメラの3脚利用 上に小さななアンテナが取り付けてある。
20180303_115808.jpg
posted by Y-NAMISOKU at 23:35| Comment(0) | 実証実験

2018年03月05日

準天頂衛星について

朝日新聞デジタル版に次のような記事が掲載されました。(H30/3/2)
「日本版GPS(全地球測位システム)の準天頂衛星みちびきについて、内閣府は2日、当初4月に予定していた位置情報のサービスの開始を、11月に延期すると発表した。
 みちびきは、専用の受信機を使えば、走行中でも誤差12センチ程度の高精度な測位ができるとされており、自動運転などへの活用が見込まれている。これまでに打ち上げられた4機で24時間運用する予定だった。」
JAXA.jpg
(JAXA画像引用)
また
日本土地家屋調査士会連合会会報誌2月号に「表示登記に関する最先端技術(準天頂衛星システム(QZSS)の活用に関する実証実験及び法務省への説明会の実施報告)と言った記事が掲載されていました。
内容を要約すると
ネットワーク型RTKの測位成果(単点観測値)とQZSSが発信するL6帯信号受信機による単独測位(PPP-RTK)成果を既知点(公共基準点)にて観測し、既知点成果と比較検証すると言ったもので、表示登記への活用が近い将来可能かどうかの報告記事でした。
比較検証結果の数値については記載されていませんでしたが、だいたい見当がつきます。

ネットワーク型RTKの単点観測値は実感的に2〜3p精度に収まりますが、公共測量作業規定では基準点成果値としては使えません。既知点間を結ぶ観測と網平均計算を行い既知点成果との整合を図って初めて3,4級基準点成果として使用出来る訳です。
但し、国土調査の境界点座標は単点観測値でも良くなったようです。(発注機関の意向と地籍図の精度区分にもよりますが)

一方、準天頂衛星から発せられるL6帯電波は、CLAS(シーラス)と言ったcm級測位補強サービスが含まれ、単独測位で水平方向6cmまでの精度を持ちますが単独測位ではこれ以上の測位精度は無理です。
CLASを利用した単独測位値は車両の自動運転などの利用には大いに有効だと思いますが、測量となると単独測位値をそのまま使う訳には行きません。
結局、相対測位と成る訳で、複数の受信機の通信(インターネット回線が主と成る筈)もしくは後処理解析が付いてきます。

そんな訳で、今進行中のRTK測位プロジェクトは徒労に終わる事は無い筈です。
posted by Y-NAMISOKU at 19:07| Comment(0) | 日記

2018年03月06日

U-bloxとトラ技との出会い

昨年秋頃だっただろうかU-blox社の高性能受信モジュールNEO-M8Pが2万円台で発売されたと言った記事を偶然目にしました.モジュール.png今まで測量機に関係する会社(例えばT社、N社)しか知らなかったが、測量機の中に入っている受信モジュールを作っている会社の事など考えた事もなかったが、気になる記事でした。
その記事にはRTKの事も書かれていて腑に落ちる内容だったが「受信機モジュールってそんなに安く買えるんだ」 L1帯受信機は元々安いらしいが、GNSS測量機の心臓部である受信機モジュールがそんなに安いとしたら、測量機の総額は一体何なのか疑問が残りました。ただ、その受信モジュールが手に入ったところで、自分に何が出来るのだろうか。器械の製造なんて全くの門外漢だし、その場はそんなことを考えて終わった記憶があります。
今年になってネットでRTK関連を検索していたら「トラ技」の検索候補ワードが出てきました。「トラ技ってなんだろう?」思わず検索「トランジスター技術」の事でした。
本屋で良く見かける雑誌でしたが、無線や電子基板の事など全くの門外漢だったので立ち読みした記憶もありません。2018年1月号、発売は昨年末でした。
トラ技1月号.jpg
早速ネットで紹介記事を見ると、今まで密かに考えていたRTKの事が現実出来ると確信した瞬間でした。

U-blox社の発売した格安受信機を基板に載せ、アンテナとの接続端子(SMAジャック)とマイクロUSB端子が付いた実験用器材を2万7千円で販売しているとの事。
「トラ技」はいろいろな実験用キッドを企画販売しているようです。
ネットの情報では、即品切れ状態で、入手困難との噂でしたが何とか手に入りました。
「RTKってそんなにメジャーなんだ」世の中の広さをつくづく感じました。

それともう一つの大きな収穫はRTKLIBの存在です。
東京海洋大学の高須先生が10年以上の歳月をかけて開発したアプリケーションソフトウェアで、世界のRTK技術や衛星測位技術に影響を与えている世界の至宝とまで言われているもので、何とフリーソフトです。
詳細は追って紹介しますが、このRTKLIBの存在は何としてもこのプロジェクトを世間に広めなければならないと思ったきっかけでした。
20180306_102747.jpg
posted by Y-NAMISOKU at 19:08| Comment(0) | プロジェクト

2018年03月10日

RTK実験キッドの概要

トラ技で購入した実験キッド 確か¥27,000でした。トラ技実験キッド.jpg
基板にU-bloxのL1受信モジュール(NEO-M8P)とシリアル通信用マイクロUSB端子 アンテナ接続用SMA-J(端子)が配置されています。購入した物が到着した時はその小ささに驚かされました。回路図を見ても門外漢の小生にはさっぱり解りませんが専門家にすれば簡単な構造で再現は十分可能だと思います。プロジェクトを広めるためにはこの基板セットが必要なのでNEO-M8PやSMA端子、マイクロUSB端子等の部品と共に基板に配線しなければなりません。だからそんなことを考えていたわけです。
さて、トラ技で購入したアンテナですが安物らしいです。トラ技特別サイト「初めての1cm測位RTK超入門」で岡本先生が言ってました。
仕事でRTKを活用したい場合などはアンテナをある程度、感度の高いものにしなければならないらしく、小生はリットー社よりTW2710GPを2基購入しました。
20180306_102845.jpg
TW2710GP(リットー社 ¥37000/1基)

基地局用PCは余っていた古いのノートPC(ウインドウズXPを7に変えたもの)
ローバー(移動局)用は2in1型ノートPCを新規購入
当初は、野外で使用する小型のタブレット型を予定していたのですが使うには条件がありました。
U-blox(受信機)やRTKLIBのOS環境はウインドウズだったので、タブレット型でウインドウズPCはなかなかありません。できればLTE対応なら更に良いのですが、インターフェイスにUSB端子が無くてはなりません。
受信機からシリアル通信できるポートが必要だからです。

そんなわけで、タブレット端末で、該当する機種はなかなか見つかりません。
(アンドロイドのタブレットはありますが〜ヤマダエブリパッドプロ(ウインドウズ8)も当初候補に挙がったのですが、USB端子がありません。マイクロUSB端子はありますが、給電用なのでシリアルポートになるの判りません。それからメモリーが2Gしか無かったのでので止めました。)

ローコストが課題ですからHP(ヒューレットパッカード)の2in1型PC(メモリー4G ウインドウズ10 ¥50,000弱)を購入しました。
購入した物の金額
トラ技受信基板セット2セット 2×¥27,000
アンテナTW2710GP 2セット  2×¥37,000
2in1型PC(HP製)  1台    1×¥50,000
他 基地局用SMAケーブル15m ¥5,000
  ローバー用SMAケーブル3m   ¥1,000
コントローラー&解析ソフト(RTKLIB)は無料
総額約 ¥200,000
これでRTKがキチンととできれば目的達成できます。
このキチンとが今後の課題です。
実証実験の結果は随時報告いたします。

アンテナ、受信機、PCの接続はこんな感じです。(ローバー用)
20180306_104403.jpg
受信機からPCへはUSB端子でのシリアル通信
PC内での受信機コントロールや受信データーの解析はRTKLIB が行います。
次回は高精度測位RTKの概要です。(基地局が必要な事等)
posted by Y-NAMISOKU at 18:48| Comment(0) | プロジェクト

2018年03月12日

高精度測位RTKの概要

RTKは座標値が判っている点に1台の受信機とアンテナを固定して衛星からの電波を受信すると同時に、位置を知りたい点(移動する側)にも、受信機とアンテナを設置して衛星からの電波を受信します。この合わせて2か所で同時に得られた観測データーをリアルタイムに解析して知りたい位置を決定する測位手法です。
gps_iroiro04.gif
スマホやカーナビなどの単独測位で受信する電波とは種類の違う搬送波という電波を受信して行うもので、固定点と移動点で同時に受信した搬送波を解析するのは、その受信データーをどこか1か所に集約して解析しなければなりません。その手段として、無線機や、IP通信(インターネットを利用した通信)が必要となります。
高精度測位RTKの概要(トラ技2018/1月号より引用)
RTK概要.jpg

RTK測位では、約1.5㎓の搬送波を直接観測しますが、波長が19pと短いことから、受信開始時には衛星〜アンテナ間にある波数が不確定です。(物差しの目盛りが細かすぎて大きな数値(整数)が判らないといった表現が合っているかもしれません=整数値バイアス)最初はその整数を判別(数えきる?)するのに時間がかかります。初期化といいます。初期化が済み数m級の整数値部分が確定した後、数m級から20cm級の解を計算している段階がFLoat解と言います。そして最後に確定解(たぶん1〜2cm級だと思う)を求めます。FIX解と言います。
このFIX解が出るまで演算が繰り返し行われます。
RTKLIBといったソフトで行いますが、RTKLIBは東京海洋大学の高須先生が開発し、世界のRTK技術に影響を与えている世界の至宝と言われているフリーソフトです。
演算内容は複雑で解説できませんが、演算を繰り返し固定点と移動店点の相対的位置関係を1〜2cm級の精度で確定して行きます。この結果、固定点の位置が判っていれば移動点の位置は相対的位置関係から求まります。これがRTKの概要です。

つまり、固定点の位置が正確でなければなりません。
固定点と移動点の通信手段が無くてなりません。
固定点、移動点とも衛星からの電波の受信環境(上空に開け具合)影響します。
正確な移動点の位置を求める事=FIX解を得る事は結構条件があります。
これらの事は次回以降少しずつ報告いたします。

今回のRTKプロジェクトの骨格は『トラ技2018年1月号』に掲載されています。
http://toragi.cqpub.co.jp/tabid/862/Default.aspx

posted by Y-NAMISOKU at 21:38| Comment(0) | プロジェクト

2018年03月13日

高精度測位のカギは「基準局」

前回RTK測位の概要で説明したましたが、基準局は位置が判っている必要があります。
位置とは地球上の位置のこと=緯度、経度、標高(楕円体高) 
この位置精度が移動局(位置を知りたいもう一方)の位置精度に直結します。
位置が判っている点としては、行政機関が設置した基準点(三角点や公共基準点)がありますが、RTK測位にはその点ともう一方の点との通信が必要になります。
三角点や公共基準点は緯度、経度、標高は判っていますが、データー発信はしません。現地にあるのは単なる石や金属の標識です。(電子基準点といったものは別ですが)
リアルタイムの測位となると常に基準局からその位置データーが発信されている必要があります。
あと、移動局の位置精度は10q圏内に基準局があるか無いかに掛かっています。
だから、移動局での測位を必要とする人が、自ら基準局を開設してその位置のデーター発信をすれば良いことになります。
事務所の屋根の上にカメラの三脚を使って基準局を設置しました。(小さなアンテナが載っています。)
基準局カット版.jpg
発信するデーターはU-bloX(NEO-MP8)が基準局側で受信した測位データーです。
実はこのデーター発信はRTKLIBでできるのです。
自分のパソコンを基準局データーの発信サーバーにできるのです。
RTKLIBに含まれるSTRSVRといったソフトでデーター発信します。
衛星〜アンテナ〜受信機〜パソコン(STRSVR)よりoutputされている状態であれば、IP通信により外から発信されているデーターにアクセスできる訳です。

ただし、インターネットに関する問題もあります。データー発信基準局のIPアドレスが判らなければアクセスできません。グローバルIPアドレスが固定している事、若しくはDDNSを利用してすることなどの対処が必要だそうです。また、ファイヤーウォールに穴をあける必要があるそうです。でないと外部からデーターアクセスできません。(セキュリティー対策させていないPCは皆無ですから)
RTK技術以外にネット関連の知識も必要です
また、企業のローカルネットワークに外部からアクセスできるようにするのはなかなか難しいです。そんなリスクはたかが実験レベルでは普通犯しません。
そんな訳で、小生はNTRIP といった仕組みを利用しました。
自分で開設した基準局から発信しているデーターをインターネット経由でNTRIP Casterといったサーバーにアップロードしておけば、移動局からNTRIP Casterにアクセスして基準局データーをダウンロードすることができるのです。
図で示すと次のようなこと(トラ技2018.1月号より)
NTRIP
以上すべてトラ技の受け売りですが、実際に試してみました。



posted by Y-NAMISOKU at 20:58| Comment(0) | プロジェクト

2018年03月14日

MY基準局の設置

前回「高精度測位のカギは基準局」といったタイトルで投稿しましたが、MY基準局を設置したので報告します。
事務所の屋根の上にカメラの三脚を利用してアンテナを設置しました。
MY基準局アンテナ.jpg
アンテナからSMAケーブルを15mほど延長して事務所内の受信機〜パソコンに接続しています。
パソコン内ではRTKLIBのSTRSVRといったソフトが起動していて、アンテナで受信した衛星データーをNTRIP Casterといったクラウド上のサーバーにアップロードしています。

パソコン内でSTRSVRが起動してNTRIP CasterにIP通信している状態
STRSVR起動中.jpg

MY基準局PC.jpg
これがMY基準局です。
実は今日、NTRIP casterにデーター送信しているつもりで現場(移動局)に出かけましたが、基準局データーを受信できませんでした。パソコンを節電モードにしておいたのでスリープ状態になってしまいデーター送信ができていなかったのです。(お粗末)

NTRIP Casterを使ったサービスは一般的に企業(データー配信会社)が有料で行っているケースが多く、その企業がサーバーを設置して配信サービスを展開していますが、ユーザーが自由にアクセスできるオープンなNTRIP Casterサービスがあります。
「rtk2go」といった無料サーバーはだれでもデーター送信でき、送信されたデーターに誰でもアクセスできます。だたし誰が送信したデーターかを識別するためにマウントポイントといったものを設定する必要があります。小生は、他で使っている人がいないと思いますが「namisoku.rtk」といったマウントポイントにしています。移動局側の設定でこのマウントポイントは必要になります。

NTRIP Casterの構成要素〜NTRIP Casterはオープンサーバー「rtk2go」を使用
NTRIP

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2018年03月16日

移動局の設定と実験開始

実は実験は既に開始しています。
3月3日にFIXしたと報告しています。
その前にはFIXするまでに30分近く要し、ほとんど放置状態「これでは使えないな」と思っていましたが、基準局の環境を変えたり試行錯誤したところ3分ほどでFIXした事の報告でした。
ですからこの時にすでに実験は開始しています。つまり、3月3日以前には基準局の設置とデーター送信、移動局の設定と受信環境の整備は終わっていた事になるのですが、その後、多少の調整や、基準局の作り直し、基準位置データーの設定修正をおこなっていました。 

基準局の位置は、測量業務用のネットワーク型RTK(VRS方式)で観測した単点観測値をとりあえず仮の位置データとしています。
2周波の受信機でVRS方式で行っているので2〜3pの誤差で緯度、経度、標高の絶対位置が観測できます。測量業務用で金が掛かっている訳ですからこの精度は当たり前なのです。
GNSS.jpg
ネットワーク型RTK(VRS方式)のアンテナ
ローコストで行う今回のプロジェクトとはアンテナの大きさからして違います。FIX時間も環境が良ければ2〜3秒 
今回の基準局(事務所屋根の上)では2〜3秒でFIXしています。観測値もセッション間(再初期化を行うタイミング)格差で1〜2oです。セッション間の時間が短かったので衛星の移動が少ない環境だったこともあります。この数値でも基準局の位置情報としては十分使えるとは思いますが後程、RTKLIBでスタティック測位を試してみたいとも思っています。

さて、移動局の設置ですが、2in1型ノートPCとアンテナ及び受信機の設えです。受信機(NEO-MP8)の設定はU-bloX社から提供されている「U-center」をつかいます。
U-center.jpg
受信機(NEO-MP8)とPCをUSB-microUSBケーブルで接続します。
20180306_102747.jpg
PCではRTKLIBをインストールして使います。
rtknavi.jpg

細かな報告は機会があったらしますがRTKLIBの中にあるrtknaviを起動します。
移動局側(ROVER)と基準局側(Base)で同時に衛星からの電波L1帯搬送波を受信しています。
SNR.jpg
受信している衛星の位置情報(天空)も切り替えれば表示されます。
GはGPS CはBeiDou(中国、北斗)です。
衛星配置.jpg

次回はFIX時間と観測精度の報告予定です。

posted by Y-NAMISOKU at 21:11| Comment(0) | プロジェクト

2018年03月18日

既知点でRTKプロジェクト実証実験(その1)

3月17日(土)位置が既知の基準点 
入間市設置の1級基準点=NO.138 
B=35°48′56.4156″ L=139°21′01.1477″
世界測地2011平面直角座標(\系) 
X=−20342.939 Y=−43647.291
にRTKプロジェクト移動局(アンテナ+受信機+PC+RTKLIB)=移動局総額=¥120,000を設置して観測した結果を報告しましす。
観測場所の状況は畑で天空は完全に開けていて障害物の一切ない絶好の条件
観測開始からFIXするまでの約1分30秒
観測開始前のRTKNAVI
1.jpg

FIXした時のRTKNAVI
2.jpg

Ratio4〜7でFIX状態 
その後FL0AT状態に戻ることなく2分程度でRatioは70程度まで上昇したので観測をストップしました。
3.jpg

観測状況を記録するためPCのデスクトップ画面を画像保存
その場で国土地理院HPで緯度、経度を平面直角座標値に換算して座標値を比較しました。
座標値比較.jpg

その結果 X方向格差=−0.031m Y方向格差=+0.009m
約¥12万の設備で世界測地座標成果が得られました。
2〜3百萬は掛かるVRS方式の測量設備で得られる成果と同程度の成果が10分の1以上の廉価で実現した訳です。もちろん使い勝手はまだまだ問題はあります。
しかしプロジェクトの目的、10分の1のコストでRTKが実現可能です。
プロジェクトは順調に進んでいます。
posted by Y-NAMISOKU at 17:52| Comment(0) | 実証実験

2018年03月24日

スタティック測量へ挑戦

このプロジェクトとは別の話ですが、市の委託業務で2級基準点測量を請負い、国土地理院の技術的助言と日本測量協会の成果検定を受け、無事年度末の納品が終わりました。この業務はGNSS測量のスタティック観測を用いた仕様で、もちろん測量作業規定に適合する作業手順で行う必要があります。使用するGNSS測量機も機械検定を受けたものでなければなりません。
ついては機械はレンタルです。(基線解析も平均計算もレンタル)
入間市の基準点網図を完成させるためには、与点は入間市設置の1級基準点でなければなりません。(と思います)しかし
国土地理院の助言の中に「電子基準点を与点とした2級基準点の設置が可能になりました」とあります。
数年前作業規定の改定で可能になったのですが、今回の市の委託は今までやってきた市設置の基準点との整合を第一と考えて、市設置の1級基準点を与点とする事としているのだと思います。
さて、今日のタイトルですがそのことと関係ある電子基準点を与点としたスタティック測量にチャレンジしました。
勿論、RTK同様ローコストで行える事が前提です。
これができればRTK基準局の位置精度が増し、移動局の位置精度が結果として増すことになります。
FIXしたRTK観測結果は基準局位置精度が移動局の位置精度に平行移動するのです。
ですから基準局の位置は正確でなければなりません。
現時点では、測量業務用受信機でVRS方式での単点観測値を基準局の位置座標として仮設定しています。(これでも2~3cm程度の精度はあるので十分だとは思いますが)
このRTKプロジェクトを普及させるためにはだれでもローコストでRTK基準局の位置決めができなければなりません。
VRSができなくとも正確な基準局の位置を知る方法が必要なのです。(TSで基準点を回して、屋根の上を観測するような真似(ど測量?)はしたくありません)
そこで電子基準点を利用したスタティック測量によって基準局の位置が判れば素晴らしい。
実はRTKLIBで電子基準点を与点としたスタティック測量ができるのです。
RTKLIBのなかにあるRTKPOSTをつかいます。電子基準点を与点としてスタティック測量で基準局を再測量するのです。
RTKPOST.PNG

RTKLIBのすばらしさに驚きを隠せません。こんなに何でも出来てフリーソフトなのです。
フリーソフトでも信頼性は抜群です。世界のRTK関係者が使っています。
一方既知となる点(電子基準点)は日々の観測データー、航法データーが国土地理院からRINEX形式で公開されています。
各方面の研究者(地球物理学者が多いのでは?)がこのデーターを使っています。
今回のプロジェクトもこの電子基準点データーを利用します。
地理院から得られるデーターはRINEX形式というものですが、GNSS受信機各社の受信機からoutputされるデーターの形式はバラバラなのでRINEX形式に変換する必要があります。
RTKLIBにはその変換ソフトRTKCONV(RTKコンバーター)も備えているからビックリです。
RTKCONV.PNG

まずはU-bloXの受信機を起動させ1時間以上観測します。
RTK基準局として設置完了しているので室内のPCをそのまま稼働させるだけす。
電子基準点データーは1時間単位(〇〇時0分から〇〇時59分30秒)でのデーター取得ですので受信機の観測時間もそのサイクル(以上=少し前から少し後まで)で行います。
そのデーターをRINEX形式にコンバートします。
RTKCONVに入力すればRINEX形式のobsデーター(観測記録)とnav(航法記録)変換されます。
こればRTKの基準局を観測していますが、求めたい位置データーなのでROVER(移動局)データーですのでお間違え無いように
RTKCONV メニュウ画面.PNG

今度は電子基準点のデーターを国土地理院のHPからダウンロードします。
地理院基準点位置画面.PNG

データー入手には登録が必要ですが誰でも簡単にできます。
ダウンロード画面.PNG

観測記録(obs)と航法記録(nav)をダウンロードします。

RINEXに変換したRoverデーター(RTK基準局の観測データーobsファイル)とダウンロードした電子基準点RINEXしたデーターをRTKPOSTに入力します。
(注意)Roverの観測時間帯と電子基準点でダウンロードする観測時間帯は当然同じ時間帯(同じ時間帯を含む)でなければなりません。
RTKPOSTメニュウ画面.PNG

Executeすると測位計算します。
計算設定はいろいろありますが詳しくは省略します。
RTKPOSTにもPlot画面があるので測位結果を画面で確認します。
Rover(今回はRTK基準局)の観測結果全てがプロットされています。
下の枠外にFIX率60%と出ています。
結果プロット.PNG

1グリット=50cmで表示
表示を切り替えFIX解だけをプロットさせます。
1グリット=5mmで表示
数点明らかにミスFIXしていますがそれ以外は5mm以内に集中した塊が時間の経過とともに2〜3p移動しています。
ミスFIX点以外のFIX点は観測時間内(2時間)で2~3p移動しているのでどれが正解なのかは分りません。
FIX結果.PNG

View画面を押すと測位結果が数字で表示されてきます。
RTKpostのoutput設定で緯度、経度を度分秒表示にしています。
FIX数値.PNG

結果の検証は次回にします。
速報=数o精度の塊が2〜3p程度 時間経過と共に移動 
ミスFIXの原因はViewでおかしな数値が出ている時間帯をみて、その時間帯の衛星の位置を見ればどの衛星がミスFIXの原因か判るのではと思います。
多分、南東方向に一本電柱があるのでその電柱によるマルチパスがミスFIXの原因のような気がしますが?
RTK測位をする際、マルチパスが少しでもあるとRTKLIBは最初から計算のやり直しをするそうです。だからなかなかFIX解が得られません。当初、移動局側は畑のど真ん中で観測しているのに30分以上たってもFIXしなかった理由は、基準局側(事務所屋根の上)に問題があったからでした。






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2018年03月28日

MY基準局スタティック測位

前回報告した通りMY基準局の位置を電子基準点を与点としてスタティック測位をした結果を報告します。
RTKPOSTメニュウ画面.PNG

MY基準局で受信したU-bloxデーターをRINEXデーターに変換してRTKPOSTに入力(マウスでドロップ)
MAY基準点で受信した時間帯と同じ時間帯の近傍の電子基準点RINEXデーターを国土地理院のHPからダウンロードします。ダウンロードした観測データ―、航法データーをRTKPOSTに入力してRTKPOSTに計算させます。実験では電子基準点入間 電子基準点名栗 電子基準点川越のデーターを使いました。
基線長としてMY基準点と電子基準点入間は5Km程度ですが、名栗や川越は15〜20Kmあります。
今回のプロジェクトで使っているローコストL1受信機で行うRTKは基準局から10Km以内が基本ですので名栗や川越は少し遠いので電子基準点入間のデーターを使った結果の方が信頼性があるような気がします。
(スタティック測位はリアルタイムではなく後処理なので距離は関係ない気もしますが)
入間1.5h選択後.jpg

電子基準点入間のデーターを基に緯度経度の測位結果をエクセルで平均したもの
U-blox受信機では2.5時間位受信しましたが、電子基準点データーは○○時00分00秒から○○時59分30秒の59分30秒単位ですので、重なっている中間の1.5時間を指定して解析しました。
RTKPOSTに使い方がいまいち不明でインターバルを指定するとうまく計算できなかったのでインターバルを指定しないで計算させたので1秒単位の膨大なデーターとなってしましました。
その中から、Q=5は削除 Q=2(フロート解)も削除 Q=1の内Ratioが20以上の結果のみを抜き出して平均したものです。電子基準点入間を与点とした計算の平均Ratioは84.85
名栗1.5h選択後.jpg

以上が名栗の結果です。Ratioの平均は20.4
川越1.5h選択後.jpg

川越はRatio平均28
Q=1(FIX解)はRatio3.0から得られますが、FIXの安定した状態が続くとRatioはぐんぐん上昇します。
電子基準点入間からのデーターを使うと最大Ratioは200を超えました。
緯度経度平均結果を平面直角座標に変換してみました。(緯度経度より座標の方が判りやすい)
緯度経度変換計算.jpg



電子基準点入間と電子基準点名栗のX座標格差は0.003m Y座標格差は0.009m
電子基準点入間と電子基準点川越のX座標格差は0.042m Y座標格差は0.024m
電子基準点入間と2周波測量用受信機でVRS単点観測した結果とX座標格差は0.004m Y座標格差は0.001m
でした。
ローコストL1受信機を使ってのスタティック測位も結構いけます。
以上報告でした。



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