久しぶり(2ケ月ぶり)の投稿です。これではblog(日記)とは呼べません。
さて、前回の続き、GNSS・Staticロガーの件です。
要は、これが基準点測量に使えるのかと言った事。
勿論、公共測量に使えないのは解っています。成果検定通らないし、機械検定など絶対に無理。地理院の測量機器性能基準をみたす機械を素人が作れる訳がありません。
では、何故こんな事を考えているのかって。
実際に精度がどうなのかを検証したい興味や、色々やっていると、衛星測位が何となく解ってくる事(学問的習得に繋がる)、結果的に民間利用が出来そうなこと(任意座標系よりよっぽどいいでしょう)
GNSS測量機は高嶺の花で、だれもが使ってはいない=衛星測位の経験が積めない=現地の状況(上空視界)による精度較差が実感できない=民間の測量に応用できない=任意座標系が横行する
だから、ローコストで高精度の衛星測位がだれでも経験できれば、任意座標系の近視眼的位置特定が変わる。大それた事を浅学非才な者が言っている訳です。
さて、能書きは之までとし、現地に設置されている公共基準点(2級基準点〜3級基準点)間に新点を2点設置して認定1級GNSS測量機にて、ネットワーク型RTK法による観測を行い、平均計算して新点座標を求めた結果と、GNSS・Staticロガー「NSP-1」を使って、測量、計算した結果を比較検証しました。
極、短い路線での実験です。
認定1級GNSS測量機を使ってのネットワーク型RTK法は、公共測量作業規定に則った単路線型平均網で、直接法と間接法を実施し、平均計算を認定プログラムで行い、結果を得ました。
GNSS・Staticロガー「NSP-1」を使って新点の座標成果を求める方法は、既知点〜新点〜新点〜既知点にて、Static観測、基線ベクトル計算をPTRPLOTで行い、各点間の基線ベクトルを計算します。
今回のStatic観測は実務的なことを考えて30分間の短縮Staticとしました。
次に、既知点〜既知点間における既知座標ベクトル△X,△Y,△Zと既知点〜新点〜新点〜既知点の各点間ベクトル△X,△Y,△Zの合計値との較差を平均化(較差量を点間ベクトル量に応じて配分する単純な平均)して、観測座標値(3次元直交座標値)に加味した座標値を成果としました。(3次元直交座標値を平面座標値の変換した成果とする)
この結果を比較して、「NSP-1」が使い物になるのか、ならないのか検証する事としました。
作業方法と結果の詳細、計算簿等は次のとおりです。
(衛星測位研究会第2弾・Static編 実証実験報告より)
GNSS・Staticロガー 研究会報告_docx.pdf(以上の報告は研究会の報告書であって、あくまで研究過程のものです)
結果として
GNSS・Staticロガー「NSP-1」を使って観測計算した結果と認定1級GNSS測量機にてネットワーク型RTK法(VRS直接法、VRS間接法)による観測及び平均計算して新点座標を求めた結果を比較検証してみます。
平面直角座標系・楕円体高で比較
NT1
VRS直接法 -21469.080 -44907.506 195.211
VRS間接法 -21469.080 -44907.503 195.210
NSP-1単路線 -21469.080 -44907.496 195.215
NT2
VRS直接法 -21409.121 -44929.957 195.034
VRS間接法 -21409.118 -44929.949 195.034
NSP-1単路線 -21409.108 -44929.960 195.017
以上が結果です。
新点NT1、NT2につき、公共測量作業規定に基づき求めた結果とNSP-1を使った単路線型短縮Static擬(もど)きに基づき求めた結果の較差は1p程度あるものの、それなりに良い精度で治まっている感はあります。
posted by Y-NAMISOKU at 09:53|
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実証実験